Amazon Prime Wardrobe の体験について
Try Before You Buy 〜あなたのお部屋を試着室に〜
2018年10月25日開始のサービスなので、すでにご存知の方も多いと思います。
サービスとしては、注文して気に入ったものだけを残し、残りは返品OK。言葉にしてしまえばそれだけのことなのですが、今回初めて試してみて、これまでに体験したことのない価値を感じました。
サービスは目に見えるものですが、価値は感じるもの。
どこがどうアマゾンらしくて、リアル店舗が対抗するとしたらどんな手があるのか。大袈裟かもしれませんが、アマゾンが未来を作っているのだとしたらどんな未来が来るのか、よくよく考えておく必要があると思いました。
これまで試着できることこそが、リアル店舗の強みだと思っていました。
ですが、家で試着することを体験してみると、いかにお店で試着することがストレスフルだったのかを思い知らされました。
↓ストレスの原因(いつもじゃないです)
1. 店員さんとの会話
2. 待たされること
3. 狭い試着室で着替えをしなければならないこと
これらは私が毎回意を決して買い物に臨んでいた理由を雄弁に説明してくれます。(多分、どんなに洋服が好きな女の子でも、これらの体験を望んでしたいとは思っていないはず。)
そして今回、私が感じた最大のメリットは。。
4. 合わせようと思っている服と合わすことができること!
でした。
このことは買い物に対する価値観を一変させるものでした。つまりハズレ率を限りなくゼロに近づけられるわけです。
つまり、家で試着できることで
ネガティブな体験を無くしつつ商品が一気に試せ、また合わせようと思っている服と合わせられる価値を同時に提供しているわけです。
ちなみにこれらの価値は私が勝手に感じたものです。人によって別の価値を見出しているかもしれません。
一方で、家で試着できることも良いことばかりではありません。
限られた数(届いたもの)しか試着できないというデメリットがあります。
リアル店舗であれば、お店の状況にもよりますが、基本的にほとんどの商品を試着することができます。
また、お店だと視界に広がる商品群の中から選ぶことができますが、アマゾンができることは、先進のアルゴリズムで消費者が買いそうな商品を表示することです。
なので、商品の見せ方(怒涛の陳列表示)、選択肢の幅、限界試着数に、店舗が優位性があると思います。
また、ここで家で試着した時にもっとも苦労したのが
・自分と相談して決める
ということ
結局のところ、私が普段買わないような商品にチャレンジする気にはならず、妻にアドバイスを求め最終決定しました。
買い物という体験は簡単なようで奥が深く当たりは外れではないとは限らないということ。。
アマゾンには商品レビューがあり購入前には必ず確認をしますが、実際に私が試着したときの感想を第三者に求めるということができません。
お店であれば、聞けばその場でフィードバックをもらえます。これも店舗で買うことのメリットです。
また、意外な組み合わせを提案できることや、商品特性を相手の興味に合わせて話すことができることもお店に優位性があります。
使用目的、価格帯、好みの色、フィット感など、関心が高いものを説明してもらうことで、納得のいく買い物ができると思います。(ジャパネットの価値はアドバイスにこそあり)
店舗だからこそできる見せ方、提案の方法、上手なフィードバックによる良質な体験こそが、生き残る(スケールできる)方法だと思います。
妻の一言「裏もかわいい」が決め手に。(私だけだったら選んでいない。)
ここまでの内容を整理してみます。
◯ リアル店舗の強み(アマゾンが弱点をどのようにカバーしているか)
・見せ方に工夫ができる(ビジュアルの工夫やスペックの比較表示)
・提案の仕方に工夫や意外な提案もできる(オススメ商品を表示)
・その場で試着できる数が多い(現段階では最大6点まで)
・その場でフィードバックが得られる(商品レビューの掲載)
✖️ リアル店舗の弱点 (アマゾンの強み)
・スタッフのばらつき(膨大な情報と均一のサービス)
・試着室が狭い(家の中が試着室)
・実際に合わせたい服と合わせることができない(できる)
何も今すぐ世界が変わるということではありません。が、未来の方向性はしっかりと認識しておかないと正しく戦うことができません。
それぞれの良さと弱点を補うことが大切なのだと思います。
つきつめるとリアル店舗の最大の強みは「店員さんとの人間関係」
リアルな欲求なような気がします。