『サピエンス異変』を読んで〈第3部〉
第三部 西暦1700年〜西暦1910年
第6章 腰が痛い!
第7章 大気汚染
やっと、真ん中にきましたよ。(最初から読みたい方はこちらから)
「腰が痛い」ってふつーによく耳にしますが、じつは世界中どこでもそんな感じです。
先進国に限らずアジアのいたる所でもマッサージ店がわんさか見つかります。
もはや仕事が忙しいとかそういうことじゃないんですよね。オレがんばってるとか関係ないんです。
現代社会で生活する以上、歩かない、動かない、イスに座りっぱなしはセットなんで、ふつうに生活していれば必ず支障をきたします。
でも歩かない、動かないことが身体に悪いのはわかるけど、なんで座るのがダメなの?
って思いません?
座るって休んでいることと同じじゃん。ってね。
そう思ったのなら、ぜひこのままお進みください笑
まさにこの章で書かれている内容がそれです。
そもそもイスって昔っから使われているように思いますが
その環境は19世紀に訪れて瞬く間に広がった。page 137
じつは普通の人がイスに座るようになったのって、まだたったの200年しか経っていないそうです。
(日本はもう少し経ってからだと思うので本当に最近です)
ある時を境にしてイスに座ることが当たり前になってしまいましたが、人類の歴史からすれば、昨日のような話なわけです。。
(「教育」と「労働」が急速に普及させたそうです)
このイスに座る行為が何に反しているかというと、身体の基本設計が無視されていることになります。
背骨を例にとって、ヒトに近い霊長類と比較するとわかりやすいかもしれません。
私たちの身体(とりわけ脊柱)をほかの霊長類と比較すると、何にいちばん適応しているか、どのような経緯で現在の姿になったのかがわかる。page 151
ゴリラの脊柱は、その時の姿勢によって直線形またはC字型をしている。(中略)一方で、人のように反対方向に湾曲している脊柱はほかに類を見ない。page 153
ゴリラとヒトの背骨の形って、画像検索すればすぐわかりますが全然ちがいます。
ヒトの背骨はS字型なんです。これは他の霊長類にはないヒトだけの特徴です。
私たちの脊柱は効果的な衝撃吸収体としても働かなくてはならない(したがって、S字型になり、この形は重心にもよい。)page 152
つまり(ヒトの足にアーチがあるのと同じで)、ヒトの身体は歩くのに適している形をしているわけです。
歩くことが身体に良いことは知られていますが、理由はとても簡単で
人の身体が歩くように設計されているからだとも言えると思います。
逆に、本来設計されたではない姿勢で長時間いることは、当然のように身体に負担がかかることになります。
こんな発想から、近い将来イスの概念がひっくりかえるような奇抜なイスが生まれたらと願います。
それでは本日は最後に素敵な一文を紹介して終わりにしたいと思います。
ギルガメシュが不死の秘密を探し求めた物語を、私たちが数千年にわたって語り継いできたと考えると愉快な気分になる。
なぜなら、秘密を探す旅そのものが不老不死の霊薬だったからだ。
探究の旅が長寿を願う心に応えてくれたのだ。page 136, 137
さ、次回は第四部です!
第四部 西暦1910年〜現在
第8章 身体は現代の食生活に追いついていけていない